地球フロンティア研究システム
1997年に旧科学技術庁が気候変動や地球環境問題に対応する大型研究プロジェクトとして開始したのが地球フロンティア研究システムです。松野さんはそのシステム長として新しい研究システムを作り上げるリーダーを務めました。ここでは「地球変動予測の実現」が目標として掲げられ、気候、水循環、生態系など6つの分野における変動がどのようなしくみで起きるのかを解明し、それをコンピュータ上で再現することを目指しました。このような現実世界の現象をコンピュータ上で再現し、予測や検証を行うコンピュータプログラムのことをシミュレーションモデルといいます。1960年代からコンピュータの中で大気の状態を再現し、天気予報を行うシステムの開発が始まっていたことはすでにお話ししましたが、この時代には、天気だけでなく海流の動きや生態系の変化など様々な事象をシミュレーションモデルで再現することができるようになってきたのです。