そして、1972年の夏、モンタナ州のグレイシャー国立公園内で初めての研究活動を行いました。これは、土地の高度と樹木の分布を調べるものでしたが、カーペンターさんはこの経験から自然について学びながら生計を立てられることを知り、科学者としての将来を考え始めるきっかけとなりました。
アマースト大学での生態系に関する講義には想像力をかきたてられました。生態系の考え方は、お父さんから学んできた科学の知識と通じ合うものだったからです。カーペンターさんは、研究に必要なシステム思考 という考え方や現実を鏡のように再現する数学モデルに魅了されました。しかし一方で、自らの自然の中での経験や、おじいさんからよく尋ねられた「これはどう役に立つの?」という質問から、現実の世界で起こることからも意識をそらさずにいられました。