指導者のかたへ

「ブループラネット賞ものがたり」は、環境学習にも広くご利用いただきたいという思いから、ひとつの「ものがたり」に対して「学習の手引き」「参考情報」そしてこの「指導者のかたへ」という、三つの「環境学習補助コンテンツ」を用意しています。
このページでは、指導者のかたが教材として利用することを想定し、指導の助けになるような情報を掲載しています。
学校での環境学習の授業や、お子さまの自主学習などに、ぜひお役立てください。

<対象:学校の先生、保護者など、教育指導にあたるかた>


指導に向けたものがたりの再確認

カーペンター教授は、湖を研究フィールドとし、湖の汚染からの回復方法や生態系などについて長年研究を行いました。中でも、湖の実際の生態系を人為的に操作して栄養カスケードについて検証したことで知られています。この実験で活用した手法はカーペンター教授が拠点とする湖だけでなく他の湖の保全にも役立つものです。
また、目の前の湖の研究から発展し、湖の汚染にも関係するリンの地球規模での循環についても目を向けました。地球の限界と現状を示し、世界的な注目を集めたプラネタリーバウンダリーの研究で使われている9つの指標のうち、リンの循環に関する部分はカーペンターさんたちのグループの研究業績に基づいています。プラネタリーバウンダリーでは、今日のリン循環が危機的状況にあることが示されました。

生物の食う・食われるの関係は、人間を含む生態系の根幹を担うものです。栄養カスケードについて学ぶことを通じて、生態系の中の生物同士のつながりをより強く意識することができるでしょう。


指導方法の例

指導に用いる適切な教材が見当たらない場合は、以下を参考にしてください。

生物のつながりを見つけてみよう!

子どもたちに身近に存在する生物を実感させ、それらが食べる・食べられるの関係でつながりあっていることを学ばせることがねらいです。

1. 身近なフィールドを一つ選び、子どもたちにそこで出会ったことのある生物を書き出してもらいます。フィールドは、湖や池、林などもよいですし、校庭でもよいでしょう。
2. 書き出した生物について、図鑑やインターネットで何を食べるのかを調べます。
3. 生物の食物を調べる中で、生物同士の食べる・食べられるの関係を発見しましょう。そしてそれらの関係、つまり生物網を図式化しましょう。つながりの空白を埋める生物を改めて考えたり、探したりするのも新しい生物を知る良い機会になります。
4. さらに発展できる場合は、栄養カスケードの考え方を参考にして、作成した図の中の生物が増えたり減ったりした場合にほかの生物の数がどのように変化するか考えてみましょう。

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スティーブン・カーペンター教授

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